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『オークションの世界 VOL.7』オークションの下見会。それは、宝石の見る眼を訓練する最高の勉強の場所(前編)

Written by HARADA Nobuyuki

オークションにはさまざまなランクの宝石が揃っている。だから見れば見るほど善し悪しを見分ける力がつく。自分の予算内で失敗を恐れず、購入する目的を持つことも鑑識眼を研ぎ澄ます秘訣

 


どうしたら宝石やジュエリーの善し悪しや相場 が分かるようになるのだろうか。宝石店を回ってもショーケース越しに覗くのは勇気がいる。気になったものを試しに出してもらって手に取ったら、いつの間にか買う羽目になっていた経験をした人にはトラウマだ。では講座を受ける? 学校に入る? いずれにしてもかなりの費用がかかる。

費用がほとんどかからない絶好の場所がある。 それは宝石オークションの下見会だ。ネットオー クションと異なり、ライブのオークションはオークション2、3日前に手に取ってジュエリーを見ることができる下見会が開催される。下見会には原則として誰でも入場することができる。下見会の良いところは販売のためではなく、純粋に下見なのでジュエリーを気軽にチェックすることができる点だ。それに一般の宝石店ではそれぞれのお店の格で品質は揃っているので比較は難しいが、オー クションの下見会は品質が様々で、善し悪しの比較ができるのが特徴だ。

下見会に参加するには、オークション会社に電話するかホームページから申し込んでカタログを入手することが第一歩。下見会の場所、日時を確認して、それまでにカタログをチェックする。お目当てのジュエリーを落札したい場合はそれだけをチェックすれば良いが、ジュエリーをより深く理解したい場合はすべてのロットの写真と記載されているデータを丹念にチェックしてできるだけ多くの商品を下見会で手に取って確認したい。

ここで大切なのは何でも良いから本気で買うことだ。金額は問わないが購入する目的を持つこと で力がつく。例え欲しいものがなくても「掘り出 し物」を探すだけでもいい。オークションの良い ところは落札して手に入れたものも相場が変わらなければ原則として同じリザーブ価格(最低落札価格)で再度出品できることである。もし手に入 れた同額で落札されれば手数料分はなくなるが勉強代としては安い物だ。一般の方でもオークショ ンで手に入れて飽きたら再出品し、他のものを手に入れることを繰り返している上級者もいる。一定額をジュエリー購入に充てると考えれば、いま流行りのサブスクリプション的な使い方だ。

七つ道具を揃えよう

ここからは下見会に欠かせない七つ道具を紹介しよう。 10倍のルーペ、ペンライト、紫外線ライト (ブラックライト )、 ピンセット (ルース用 )、ノ ギ ス(なければ定規)、宝石用クロス(めがね拭きでも )、計算機。これらを宝石店に持ち込むことは 失礼でできないが、下見会では問題ない。下見会は一般的に一日中行っているので、時間を取ってじっくり見たい。

まず、オークション越しに見てカタログの画像と比較する。……(後編 VOL.8は2020年11月中旬に公開します)


原田信之(Harada Nobuyuki)
株式会社ジュエリーアドバイザーアンドギャラリー 取締役社長
30年間で百数十回に及ぶ宝石の海外買い付けとジュエリーのプロデューサーの経験を生かして、相続、オークションの査定や資産性のアドバイスを行っている。

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