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8月の誕生石、「夜会のエメラルド」と呼ばれた緑色の宝石ペリドット

Written by MACHIDA Akemi

8月の誕生石ペリドットは古代エジプトでは、幸運を引き寄せる石としてファラオの装飾品に使用された。


「未来を明るく照らす宝石」とも言われるペリドット。新型コロナウイルスの状況下でも前に進む力を与えてくれるかもしれない。

夏本番の8月。太陽のじりじりとした日差しにはうんざりしますが、街路樹や公園の草花の緑に目を向けると暑さがやわらいでくる気がしてきます。清涼感を与えてくれるグリーンカラーの宝石、ペリドットは8月の誕生石です。

巨大なペリドットを主役にしたハイジュエリー。「Xネックレス」ペリドット・イエローサファイア。(ヴェルドゥーラ)“X”necklace by Verdura

黄緑色のみずみずしいペリドットは、古代エジプトでは紅海に浮かぶ島から産出され、太陽から飛んできた石などと呼ばれていました。暗闇に光をもたらし、幸運を運んできてくれる石として、何千年も前から王が身につける冠や装飾品に好んで使われていたのです。ペリドットという名前は諸説ありますが、アラビア語で宝石という意味の「faridat」に由来するようです。

イタリアのジュエリーBIBIGIはカラーストーンを巧みにあしらった上品なジュエリーを手がける。K18ホワイトゴールド・ペリドット・ダイヤモンド。(BIBIGI/エモツィオーニ)

ペリドットはオリビン(かんらん石)の一種で、アメリカのアリゾナ州、パキスタン、ミャンマーで主に産出されています。その土地に含まれる鉄分などによってペリドットの色味が微妙に変わってきます。明るめのライムグリーンから、濃い目のグリーンまでありますが、茶色がかったものは価値が下がります。暗みのあるグリーンが最高品質と言われていますが、色の好みは人それぞれですので、自分にピンときた好きな色を選ぶといいでしょう。

鉱山から採れるもの以外には、まれに隕石に混じっていることがあります。火星と木星の間にある小惑星同士が衝突して、宇宙から飛来してきたものにペリドットが見つかっています。隕石自体が珍しく、その中でもまれにしか発掘されないので大変希少で、宇宙のロマンを感じさせます。

ロンドンのグリマは1960年代〜70年代、スイスウォッチ、オメガのために、特殊なウォッチを数多くデザインした。今ではコレクターズアイテムになっている。ケースにペリドットが使われている。“About Time Collection”by Grima for Omega

ペリドットはそもそも原石が小さいものがほとんどなので、3ctを超えると、価格が上がります。また、クラック(ヒビ)が入ったものや内包物を含むものも多くあり、大粒で不純物が何もないものは手に入りにくくなります。

宝石の中に光が入る時、1つではなく2つに分離させて進行する光のことを複屈折と言いますが、ペリドットはこの複屈折率が高く、ファセットが二重に見える独特な煌めきが特徴です。その高い複屈折率のため、中世ではろうそくの薄暗い部屋の中でもキラキラと輝くことから、当時「夜会のエメラルド」と呼ばれていました。ペリドットは日中は太陽の下で見ると若草のような鮮やかなグリーンを放ちますが、夜の街ではイルミネーションを受け、ぐっと深みを増した輝きを見せます。

爽やかなグリーンの色味は、夏のアースカラーのファッションの差し色にもなります。地金はゴールドにすると一層映えるでしょう。クッションカットやペアシェイプカット、どんなカットも素敵ですが、つるんとしたカット面がない丸いカボションカットはグリーンが艶やかに輝き人気があります。

未来を明るく照らすという意味もある石です。新型コロナウィルスの影響で、今後世の中がどうなっていくのかわからない状況ですが、前に進む力を与えてくれそうです。

*ジュエリー画像:雑誌Brand Jewelryのバックナンバーより。

大変珍しいスターペリドットを大きな爪で掴む大胆なデザインのリング。K18イエローゴールド・K18ホワイトゴールド・スターペリドット・ツァボライト・ダイヤモンド。Jewelry by AYA-N

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